解像感
「高画質こそ正義!APS-Cなど笑止!」などと色々と拗らせていた時期があった私も、その正義であった高画素フルサイズのカメラとシグマのartラインのレンズを手放し、それを機に必要以上に解像感を追い求めるということを晴れて(?)卒業した。
…はずだったのだけどXマウント移行後の嬉しい誤算と言うべきか、このXF90mmがとにかく当初の予想以上によく写る。先日の雲海撮影で撮ったパラグライダーの写真を見て、大袈裟かもしれないけれど自分で撮った写真なのに思わず魅入ってしまった。以前にも書いた通りこのレンズはやっぱり凄い。
フルサイズと比較して云々などというややこしさの出てくる話は割愛するとしても、少なくとも撮れた写真だけを見れば十二分にシャープな写りをしてくれていると感じる。
ここまで写ってくれればXマウントの単焦点レンズの中では間違いなく重くて大きい部類に入ることも納得できる。まだまだもっと軽く小さくしろなどと我儘を言えば富士フイルムの中の人もさすがにキレるかもしれない。
子供を除けば動体撮影をすることがほとんどないので普段気にすることはないけれどAFは速い、精度も悪くない。ただし条件次第ではたまにピントが後ろに抜けてしまう。これはこのレンズに限らず他のレンズでもそうなるのでどちらかと言うとカメラの問題だろうか。
“いい写真”の定義というのは人それぞれで、とりあえず今の自分に関して言えば昔と違って解像度が第一ではない。等倍で確認することはあっても鑑賞などはまずしない。
それでも撮れた写真のピント面にしっかりとキレがあり、しかもそれが自分の予想以上に美しいのであれば何も悪いことはない。
私の撮る写真の出来はともかく、使う人間が信頼と自信を持って撮影できるレンズであるなら、それは間違いなくいいレンズだと思う。