手間を惜しまず
突然、と言うわけでもないけれど料理をしてみようと思い立ちフライパンを買った。
ドイツのturkというブランドの鉄製フライパン。
1枚の鉄板から職人がハンドメイドで造り出すことで継ぎ目のない美しさが云々…と、漢心を擽るような説明と、機会があって実際にこれを使って料理をしているところを見せてもらい心を鷲掴みにされてしまった。
妻と出会い付き合いだし、特に結婚してからは料理らしい料理を一切と言っていいほどしなくなった私ごときが果たして鉄製のフライパンを扱いきれるだろうかと考えたりもしたけれど惚れてしまった以上他は考えられなかった。
己は至って普通のまさに凡夫であるくせに、いや、だからこそなのかこういった一味違ったモノを好み選んでしまう。
無難なベイヤーセンサーを敢えて選ばず、(X-Trans CMOSはともかく)Foveonのようなどうしようもないセンサーを選んでしまったり、わざわざ単焦点のみでレンズを揃えてしまうのとどこか通ずるところがある気がする。
自分にとっての趣味とは効率や利便性のみを求めず、拘りやその雰囲気のための手間をも含めて楽しむものなのかもしれない。
…などと格好の良いことを書いてはいても不安な要素しかないのも事実。とりあえずは最も身近にいる師となるであろう妻に教えを請いながら簡単な料理からでも始めてみようと思う。