夜に目が覚めて
先週末、おそらく私にとっては今シーズン最後となるであろう雲海の撮影へ行ってきた。
というのも普段から子供を寝かせる際に自分も道連れで寝てしまうことがよくあって、この日も例に漏れず気が付けば深夜とも早朝とも言えないような時間。あぁ〜あ、またやっちまった…などとため息をつきながらも気持ちを切り替えて朝の写真を撮りに出かけることに。
天気と気温、そして雨雲の様子をチェック。前日か前々日だかに雨が降ってたし、もしかしたら雲海が出るかもしれない。山に登り山頂からの景色を撮る方が面白そうだけれど日の出に間に合うように山へ登るには時間的に微妙だったため今回は無難さ優先でクルマで行ける定番のスポットへ。
訪れたのは鹿児島県湧水町、にある山の上。定番のスポットなだけあって夜明け前からすでに待機している人もそれなりにいる様子。
同じ場所から同じタイミングで写真を撮れば当然ながら大体同じ写真が撮れるわけで、現像でいくらかは変わるとしてもやっぱり面白みには欠けるよなぁ…なんて、自分もその一員であるくせに誰目線か分からない生意気なことを考えつつ、ずらりと並んだ三脚の列から空いているスペースを探し、隣の人に挨拶をしてとりあえず自分の三脚をセットする。シャッターの音や話し声で賑やかな山の上で独り、持参した椅子に座り熱い珈琲を飲みながら静かに東の空を見て過ごす。
周りの人達のカメラ談義などを聞くともなしに聞いているうちに少しずつ空が明るくなってきた。雲海は厚みを増し空もなかなか綺麗に焼けている。待っている時間の方が長くなった気がするけれどここからがこの日の撮影の本番。集まった全員がシャッターを切り始める。私もようやく立ち上がりファインダーを覗く。
以前訪れた際にも撮った逆光でのシルエット。風景写真も好きだけれど、やっぱり私は風景に人を加えて写すことの方が好きなんだと思う。もちろんポートレートではない、けれどネイチャーでもない…カテゴリ的には何になるのか。…これも一応スナップの一種?
ちなみにこの場所はパラグライダーのテイクオフ場になっていて、この日も日の出と共に飛び立ったパラグライダーが雲海の上をゆっくりと旋回しながら飛び、そして雲の中へ消えていった。着陸のポイントなどは見えているのか、その様子を撮影するだけなら簡単だけれど自分でやってみたいかと聞かれれば多分無理…。
想定外の時間に寝て目が覚めたおかげで予定外の撮影が出来た。想定も予定もしていなかった割にはまあまあ遠くまで来てしまったけれど、なかなか有意義な朝活にはなったと思う。